2021年日本のテクノロジー業界で最も注目を集めたキーワードの一つが、NFTだ!
過去を振り返ると、インターネットも世の中に新しい技術が認知・普及するときは突然のきっかけと共に怪しさと熱狂がありました。いまNFTは、そういう意味で怪しさ満載の「新しい時代の入り口」の状況といえるとおもいます。
NFTと相性が良いコンテンツや権利がNFT・ブロックチェーンにひも付いてその価値が発生し、仮想通貨と共に国境を越えたグローバル社会に広がっていることからNFTはコンテンツや権利の革命といわれています。毎日のようにゲームのアイテムやデジタルアート、カードゲーム、音楽、チケット、ファッションなど、さまざまな業界で急速に立ち上がっています。
今後はメタバース(仮想現実空間)や5Gなどの通信技術の普及で、NFTは仮想通貨と共により加速するでしょう。
メタバースは新時代web3.0のSNSといわれています。2021年8月にFacebook社が社名をMetaに変更しましたよね。従来のゲームをするのだけの空間から、その中で仕事や遊び、ファッションや恋愛などの自己表現やコミュニケーションを楽しむリアルな世界と変わらない仮想現実空間での生活がメタバースで行われるようになります。
NFTとブロックチェーン
さて、皆さんすでにご存じかもしれませんが、念のため、NFTについて確認をしておきましょう。
NFTとはNon-Fungible Token、ノンファンジブル・トークンの略です。ファンジブルが代替可能という意味なので、ノンファンジブルは「代替不可能」、つまり1つひとつが固有で唯一無二ということ。トークンには代用貨幣や引換券などの意味もありますが、ここでは「世界にひとつだけのデジタル資産」と、わかりやすく説明しておきます。
現在、最も広く流通しているデジタル資産といえば、ビットコイン(bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)などの暗号資産(仮想通貨)です。暗号資産の場合、私がもっている1ビットコインとあなたがもっている1ビットコインは、円やドルと同じように、まったく同じ価値のものです。なので、たとえば私とあなたのビットコインを入れ替えたところで何変わりません。そのため暗号資産はFT(ファンジブルトークン)、代替可能なデジタル資産と呼ばれます。
NFTも暗号資産もブロックチェーンという共通の技術が使われていますが、NFTは暗号資産とは違って、ブロックチェーンの中の「唯一無二の固有のデータ」が記録されています。それによって1つひとつのデジタル資産はそれぞれが固有のもので、同価値での交換が不可能なものになっています。
この世にひとつしか存在しないNFTには、固有の価値が生まれます。そのため、わざわざ代替不可能なデジタル資産、NFTという名前が付けられているのです。
NFTはIPビジネス
NFTビジネスは日本も含め、世界中で盛り上がっている状況です。そんな中、日本には「ポケモン」などをはじめ、世界トップクラスのIP・コンテンツがたくさんあります。つまり、いま世界中のNFTビジネスのプレイヤーが日本のIPに注目しています。
たとえば、ブロックチェーンゲーム「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」で知られる香港企業は香港にあるサンリオ・デジタルを2021年はじめに買収したほました。
日本のプレイヤーはそんな獲得競争に勝たなければいけません。テクノロジーへの理解や法的な整備は海外のほうが早かったりします。
その意味でも日本は、法的な整備を含め、NFTビジネスへの理解を加速する必要があるのです。
加速する起爆剤は、誰でも知っている超人気コンテンツや大物アイドルがNFTに参入することでしょう!CryptoKittiesでさえブロックチェーンゲームをやっている人しか知らないのです。
それでは起爆剤になりえません。あくまでも最上位はIPなのです。それを活用する手段がNFTであり、ゲームやカードゲームといった利用なのです。I
NFTが活用できるビジネスはとても広いです、成長も大きいことは明確です。たとえば、ブロックチェーンゲームはゲームの価値を変えつつあります。早晩、ゲームは単なる遊びではなく、アイテムなどのNFTを売ってお金を稼ぐ仕事になっていくでしょう。
実際、フィリピンの事例ですが、Axie Infinity(アクシィインフィニティ)というゲームで一日中プレイして2万円ほど稼ぎ、生活の手段にしている人たちも出てきています。
組み合わせることで、その可能性は広がる
また、いま多くのクリエイターがクラウドファンディングで資金調達をしていますが、NFTと組み合わせることで、その可能性も広がります。
たとえば映画なら、単発の作品への出資を募って終わりではなく、NFTを使えば、その監督の次回作以降にも優待の権利などを販売することで中長期的にわたるコミュニケーションができるでしょう。
NFTビジネスに共通しているのは「権利等の何かを証明できる」「価値そのものを送付・転送することができる」「コピー・改ざんができない」「価値の行先を追跡できる」というブロックチェーンならではの特性を活用する点です。
ビジネスプレイヤーは「本当にそれはNFTである必要があるのか」ということを、ユーザー目線も含めて、きちんと問わなければ成功しないでしょう。
何でもNFTを発行してビジネスをやればうまくいくというものではありません。
それぞれの業界によって性質が異なるので、それぞれの業界における課題やニーズに合わせたアプローチが必要です。
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